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横浜地方裁判所 昭和61年(わ)2719号 判決 1987年2月10日

本店所在地

川崎市川崎区小田一丁目一八番一三号

有限会社大倉商事

(右代表者 大倉義雄)

国籍

韓国

住居

横浜市保土ケ谷区西久保町九七番地 小林荘二〇二号室

会社員

大倉義雄こと

金慶夫

一九三二年八月一五日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官吉田広司出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人有限会社大倉商事を罰金二五〇〇万円に、被告人金慶夫を懲役一年にそれぞれ処する。

被告人金慶夫に対し、未決勾留日数中三〇日を右刑に算入する

理由

(罪となるべき事実)

被告人有限会社大倉商事は、川崎市川崎区小田一丁目一八番一三号に本店を置き、遊戯場経営等を目的とする有限会社であり、被告人金慶夫は、被告会社の取締役(昭和六一年一月八日、代表取締役就任)であり、実質的経営者として同会社の業務全般を統括していたものであるが、被告人金慶夫は、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、ポーカーゲーム店の経営名義人を同人の次男大倉和雄など他人名義とし、親族の名義を使用して仮名預金をし、売上金メモを破棄したりするなどの方法により所得を秘匿したうえ、昭和五七年四月一日から同五八年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一七四、四一八、六五六円で、これに対する法人税額七二、二九五、五〇〇円を申告納付すべき義務があつたにもかかわらず、右法人税の申告期限である昭和五八年五月三一日までに川崎市川崎区榎町三丁目一八号所在の所轄川崎南税務署長に対し、法人税の確定申告書を提出しないで右期間を徒過し、右事業年度分の法人税額七二、二九五、五〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

被告会社有限会社大倉商事について

一  登記官作成の商業登記簿謄本

判示事実全部について

一  大蔵事務官作成の大倉文子こと金(四通)、大倉石埈こと金石埈、松田利夫(申鍾華)、切江敏昭、鄭致孝(山本政雄)、三神山重雄(姜珍元)、山本繁、新本澄子(李澄子)、金文子こと荒井文子、吉沢敏枝、大原君子こと朴在今、守屋明代、尹性律(平野栄作)、被告人金慶夫(九通)に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料、預金調査書、前払金調査書、保証金調査書、権利金調査書、器具備品調査書、設備造作調査書、車両運搬具調査書、賃借権調査書、出資金調査書、支払手形調査書、未払金調査書、借入金調査書、預り保証金調査書、未納事業税調査書、代表者勘定調査書、現金調査書、ポーカーゲーム機調査書、代表者勘定(無尽債務等返済額)調査書

一  被告人金慶夫の検察官に対する供述調書(四通)

一  被告人金慶夫の当公判廷における供述

(確定裁判)

被告人金慶夫は、昭和五九年二月一四日、横浜地方裁判所川崎支部で常習賭博罪により懲役二年に処せられ、右裁判は同年二月二九日確定したものであつて、この事実は検察事務官作成の前科調書によつて認める。

(法令の適用)

被告会社の判示所為は法人税法一六四条一項、一五九条一項、七四条一号二号に、被告人金慶夫の判示所為は同法一五九条一項、七四条一項二号にそれぞれ該当するので、被告会社については情状により同法一五九状二項を適用し、被告人金慶夫については所定刑中懲役刑を選択することとし、被告人金慶夫の判示の罪と前記確定裁判のあつた常習賭博罪とは刑法四五条後段の併合罪であるから、同法五〇条によりまだ裁判を経ない判示の罪について更に処断することとし、被告会社についてはその所定金額の範囲内で罰金二五〇〇万円に、被告人金慶夫についてはその所定刑期の範囲内で懲役一年にそれぞれ処し、同法二一条を適用して被告人金慶夫に対し、未決勾留日数中三〇日を右刑に算入することとし、訴訟費用は、刑事訴訟法一八一条一項但書を適用して被告会社及び被告人金慶夫に負担させないこととする。

よつて、主文のとおり判決する。

(裁判官 大川勇)

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